フリーランスは消費税をもらうべき。納税義務の条件と確定申告

フリーランスとしての仕事では、消費税についてどう扱うのが良いのでしょうか。一般的に、サービスを提供した際の請求では、消費税は発生します。その後、それをどのように計算し、申告し、納めるべきかなどについて解説しましょう。

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今後増えていく消費税とは

日本において消費税は、1989年に3%の税率でスタートしました。その後、98年には5%へ、2014年には8%へとアップしています。徐々に負担が増してる中、2019年には対象品目によって決める軽減税率が採用されました。

消費税を端的に説明すると『付加価値に対して課される税金』で『消費者が負担するもの』となります。付加価値とは、そのモノの価値を上げることです。

白米と卵焼きでお弁当を作って売るとします。それらを組み合わた『お弁当』とう新たな価値課される税金です。

しかし、消費者が負担するものであるのに、消費者は売り主(お弁当屋さん)に支払います。消費税が少し特殊なのは、売り主が一度預かり、国に納めると言う点です。

フリーランスの消費税について

フリーランスが消費税を請求すべきかどうかについて言えば、付加価値に対する税として、請求先にきちんと請求すべきものです。消費税は、請求する側が受け取るものとしてではなく、税として当然に発生すると考えましょう。

フリーランスは特例措置によって、消費税を納めることを免除されるケースがあります。それならば請求しなくても良いだろうと考える人がいますが、その認識は正しくありません。

消費税は税金であって、サービス提供者が受ける報酬とは区別して考えるべきです。自分の総売上が特例措置の範囲内としても税としてきちんと請求します。

フリーランスでも消費税は発生する

フリーランスとしての請求でも、消費税は請求先に対して基本的に請求すべきものです。そして、請求して受領する以上、それは基本的に国に納付する義務が生じます。

消費税は、個人事業者と法人に納税義務が課せられています。そのため、フリーランスにも消費税を納税する義務があることを忘れてはいけません。

フリーランスが消費税別に請求するポイント

フリーランスとして仕事をしていると、『顧客から消費税額分の値引きを求められる』という経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。なぜこのような要望が生まれるのでしょう。

それは、後述する特例措置を踏まえ、特例措置の対象となる事業者なら消費税分を差し引いてもらえるのではないかと期待されることも、理由の一つです。

しかし、消費税は『税』である以上、サービスの対価、つまり報酬の設定に関連させるべきではありません。そこでフリーランスが消費税別に請求するポイントについて説明しましょう。

契約時に確認をしよう

消費税が原因で、契約でトラブルを招いたり、請求書発行の段階になって請求金額に迷ってしまったりしてしまうような事態は望ましくありません。税に関する事務は、適正さが求められます。

そのためにも、消費税についても、契約の際にきちんと確認しておくことが肝要です。契約金額が消費税込みなのか、消費税別なのかをしっかりと顧客に確認しておきましょう。

消費税について明記されていないときは、消費税別が一般的です。しかし、後々のトラブルを回避するためにも、確認しておくと良いでしょう。

対価と消費税は別で考える

フリーランスは、自身の活動によって価値を生み、その対価として報酬を請求します。消費税とは、その対価に対する義務的な税金です。

もしも、あるフリーランスが消費税を意識せず、あるいは不要と考え、消費税抜きの金額を請求したとします。

しかし、消費税と言う税制度においては、それは内税として扱うことができます。消費税込みの額を請求したことになるのです。

消費税は、付加価値に対して自動的に課される税金です。対価と消費税を明確に区別して考えるようにしましょう。

フリーランスが消費税を納税する場合

消費税の位置付けが分かり、報酬と税とを区別したうえでフリーランスも消費税を請求すべきことを理解しました。そして、消費税を受け取ると、それは本来、報酬を支払う側から預かっているとも言える状態になります。

そうなると、消費税を受け取ったフリーランスは、その消費税を国に納める必要があります。そこで、フリーランスが消費全を納税する場合について見てみましょう。

消費税の納税義務が発生するのは

実は、フリーランスは、常に消費税の支払い義務がある訳ではありません。消費税を納める必要の有無については、前々年の課税売上高によって決まります。

この課税売上高が1000万円を超えている場合には『課税事業者』となり、消費税を納める必要が生じます。課税売上高が1000万円以下であれば、『免税事業者』といって消費税を納める義務はありません。

ただし、もう一つ注意点があります。課税売上高が、特定の期間(前年の1月1日~6月30日)に1000万円を超えていたケースでは、課税事業者とされます。そのため、消費税を納める義務が発生するのです。

消費税の計算方法はいくつかある

消費税の計算方法には、いくつかあります。『本則課税』は、まず売上として受け取った消費税から、経費として支払った消費税を減額します。そこから、納付する消費税を計算する方法です。

例えば、売上が1080万円(その内消費税80万円)で、経費が540万円(その内消費税40万円)だとします。『売上の消費税(80万円)–経費の消費税(40万円)=納付税(40万円)』となり、40万円の納付です。

一方、簡易課税は、国税庁の定める『みなし仕入率』によって納付すべき消費税を割り出す方法です。

売上高が1080万円(その内消費税)で、事業区分がサービス業だとします。サービス業のみなし仕入率は50%なので、『消費税=受け取った消費税–(受け取った消費税×みなし仕入率)」となり、納付すべき消費税は40万円です。

フリーランスが消費税を納税する方法

適切な方法で算出された消費税額は、当然、国に納付するべきものです。それでは、フリーランスが消費税を納税するには、どのような方法によるのでしょうか。

フリーランスが確定申告する場合

フリーランスが消費税を納付するときは、基本的な納付期限は3月となっています。時期としては、確定申告と重なる時期です。

そのため、消費税の申告および納付を確定申告と一緒に行うと、税務に関する事務の手間が省けるでしょう。消費税の申告と納付は同一の書類で行えるので、一度で手続きをすることがおすすめです。

消費税が免除されるケース

前々年度の課税売上が1000万円以下であれば、特例措置によって消費税が免除されることは、既に説明しました。この場合は、消費税の納付義務はありません。

過去に課税事業者となった場合でも、免税事業者としての要件を満たせば、税務署への『消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書』」の提出で、免税事業者に戻れます。

年度の途中で免税事業者に変更することも可能です。その際は、『消費税課税事業者選択不適用届出書』の提出が求められます。

国税庁 納税義務の免除

簡易課税制度について

簡易課税の計算方法は既に紹介しましたが、誰でも簡易課税の計算によって納付できるのでしょうか。決してそうではなく、条件を満たすことが必要です。

簡易課税で消費税を納める場合には、『前々年の課税売上高が5000万円以下』である必要があります。また、『消費税簡易課税制度選択届出書』を税務署に提出していなければなりません。

この二つの条件を満たしたときに、簡易課税が認められるのです。

国税庁 簡易課税制度

会社員からフリーランスになった場合

会社員からフリーランスへと転向した場合は、どうなるのでしょうか。このケースについて見てみましょう。

2015年9月に会社を辞め、2015年10月からフリーランスになった人で考えます。この人は、2016年2月16日~3月15日までに確定申告が必要です。

そこでは、勤めていたときの給与所得と、フリーランスになってからの事業所得を記載した申告書を提出します。給与所得には会社からもらった源泉徴収票の記載額をもとに申告し、源泉徴収票を添付してください。

フリーランスとしての所得は、事業期間の所得として、収入と準備期間に支出したものも含めた必要経費などを記載して、収支内訳書を作成します。それを申告書に添付して税務署に提出です。

まとめ

フリーランスにとっても、消費税は適正に扱うべき『税金』です。例え免税事業者であったとしても、意識はしっかりと持っておくべきでしょう。

消費税の取り扱いについてもしっかりと処理して、さらなるフリーランスとしての事業の成長を目指してください。

國弘泰治 [監修]

ファイナンシャルプランナーとして個人ではiDeCoやNISA以外にも不動産投資や保険などを目的(所得税対策や相続対策など)に応じて行っています。個人だけでなくMBA(経営学修士)を取得しているファイナンシャルプランナーとして法人のファイナンシャルプランニングや事業承継にも従事しております。

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