フリーランスの単価はどう決める?単価アップや交渉のポイント

フリーランスで仕事をしている人にとって、単価の設定は収入全体にかかわる重要な問題です。会社員とは違い、固定給が保証されていないため、交渉術も大切なことです。そこで、フリーランスの単価の決め方や、単価をアップさせる交渉などについて解説します。

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フリーランスの単価の決め方

フリーランスにとって、単価の設定は悩ましい問題です。『高く単価設定をし過ぎて、他に仕事を回されはしないか』『薄利過ぎる単価では休まず仕事をしなければならない』などと、頭を痛める人もいるのではないでしょうか。

仕事をする側にとっても十分な利益を確保できて、発注者にとっても高くない買い物だと感じる、そのような単価の設定が望ましいものです。しかし、そのような単価を実現することはとても難しいと言えます。

多くのフリーランスは、自分の仕事の単価について、どのように決めているのでしょうか。

相場をもとに決める

一般的な単価の設定方法として、『相場をもとに決める』やり方があります。同業者の中で、同じようなサービスを同じようなレベルで納品している人たちの相場から、自分の単価を導くというやり方です。

ITエンジニアを例にとると、一般社団法人日本ニアショア開発推進機構のサイトにおいて、同機構調査による『エンジニア単価情報』(※1)を掲載しています。これを見ると、仕事内容と単価の目安が把握できます。

また、翻訳の分野に関しても、翻訳者を支援するサイト『翻訳者ディレクトリ』(※2)において、プロ翻訳者の翻訳料金一覧を見ることが可能です。

このように、フリーランスの単価設定に役立つサイトも数多くあるので、情報を集めて、相場をしっかりと把握しましょう。

(※1)出典:一般社団法人日本ニアショア開発推進機構『単価情報』

(※2)出典:翻訳者ディレクトリ『プロ翻訳者の翻訳料金一覧』

手間やコストをもとに決める

その仕事にかかる手間やコストをベースとして単価を決める方法もあります。原価に則って価格を決めることは、ビジネスの基本だとも言えるでしょう。

ほぼ同一の業務を行うフリーランスであれば(例:オーダーメイドシューズを専門に受注)、自分の時給を設定する方法もあるでしょう。自分の時給を3000円だと仮定し、依頼内容にかかる時間を乗じて請求金額を決めるのです。

単価を上げるために

自分の技術や知名度が上がったり、単価が低すぎて採算がとれなかったりすると、『単価を上げたい』と考える人もいるでしょう。理由はそれぞれですが、単価を上げる方法にも思い悩むことがあるものです。

しかし、価格交渉は、せっかく積み重ねてきた相手先との関係に、悪影響が生まれる心配があります。その不安で、単価アップになかなか踏み込めない人もいるのではないでしょうか。

価格交渉のいい方法はあるのでしょうか? 単価を上げるための手法について考えてみましょう。

信頼関係を築く

仕事をする上で、基本的に大切なことは『相手との信頼関係』でしょう。それは、事業内容のクオリティはもちろん、納期に関してなど、あらゆる面で必要とされます。

ましてや、フリーランスであれば、業務の全てを自ら行うため、自分自身への評価がとても重要です。そして、顧客との厚い信頼関係を築くように、常に努力する必要があります。

信頼関係が強くなれば、単価に関する交渉もしやすくなるのです。なぜ単価を上げようと考えているのか、その理由をきちんと説明すれば理解を示してくれるのではないでしょうか。

スキルを向上させる

商品やサービスを提供する以上、スキルを向上させる努力を怠ることは許されません。そして、高いスキルによる商品やサービスであれば、高い価格設定であっても顧客は満足してくれるでしょう。

スキルに自信がないフリーランスは、どうしても『早さ』や『安さ』で仕事の獲得を目指す傾向に陥りやすいものです。高いサービスを実現するためのスキルの向上は、単価のアップに欠かせないものだと言えます。

自分中心にならない

単価を上げるためには、日ごろの業務やサービスの提供において、自分中心にならないように仕事に取り組むことも大切です。独り善がりな考え方や業務姿勢では、顧客の高い満足を得ることが難しくなるでしょう。

どの業界やどの分野にも、時流や流行・トレンドと言ったものがあります。顧客は、時代に流れにマッチした商品やサービスを求めるものです。

それに対して、自分の価値観を優先させたサービスや商品にこだわり過ぎ、顧客が望まない商品を押し付けても、次の仕事にはつながりにくくなってしまいます。市場感覚を養い、自分中心の仕事の仕方にならないように留意しましょう。

単価交渉のポイント

『単価の交渉術があればいいな』『どうやって価格アップを申し入れようかな』価格交渉の具体的な方法が見えないと悩むフリーランスもいるでしょう。

価格交渉の現場を想像しながら、単価アップをどのように働きかけるべきかについて解説します。

タイミングを考える

単価交渉を成功に導くには、顧客に提案するタイミングも重要です。発注者と受注者の双方が、今この状況ならば単価アップは理解できると考えなければ、交渉は成立しないでしょう。

それでは、どのようなタイミングで交渉するのがいいのかを紹介します。

自分が、時代に即した技術を身に付け、スキルアップしたタイミングで、単価の交渉を行ってみましょう。「新たに身に付けたスキルで、顧客にとってより価値あるサービスを提供できる」と、自信を持って申し入れるのです。

フリーランスとしての受注量が増加した時期も、価格交渉に適しています。仕事量が増えたと言うことは、その人の仕事に信頼や価値が生まれていると言えます。具体的な増加量などを示しながら単価アップを働きかけましょう。

客観的な交渉材料を用意する

単価の交渉をする際には、単価を上げる理由を、相手側へしっかりと伝える必要があります。あらかじめ仕事のスキルやこれまでの納品実績などを、できるだけ具体的かつ客観的な情報としてまとめ、交渉材料としましょう。

例えば、『自分が納品してきたサービスは、同等のサービスを提供する他者よりこれだけ安い』『急を要する仕事でも、他社では質が落ちるのに、自分の仕事の事故率や欠陥率は高まっておらず質を維持している』などです。

それらを表やグラフにまとめ、目で見て理解できるような資料へと落とし込みましょう。視覚からの情報は、内容の信用性を高める効果があるのです。

まとめ

商品やサービスの価格は、顧客との関係上で一度固まってしまうと、なかなか上げにくいものです。そして、価格交渉は、一つ間違えてしまうと、相手との信頼関係を損なってしまいかねません。

しかし、安定が約束されていないフリーランスにとって、適正な価格設定や、自分の技術向上などにともなう単価アップには高い意識を持つことが必要です。上手な単価交渉術を身に付けて、より前向きに仕事に取り組んでいきましょう。

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