請求書は重要
副業やフリーランスで仕事を続けていく場合には、請求書を作る機会は必ずといっていいほどあるでしょう。請求書は、今後も仕事を続けていく上で非常に重要なものですので、作成や保管は正しく行わなければなりません。
請求書がどんなものなのか、概要を把握しましょう。
請求書の役割
請求書とは文字通り『請求先に対して報酬を請求する』ための書類です。請求先に対する意思表示でもあり、請求書を発行したということ自体が履歴として残ります。
請求先が好意で作成してくれるケースもありますが、ほとんどの場合は請求者が請求先に対して発行し、メールや郵便などで送るものです。請求書は金銭トラブルの際の証拠ともなるため、必ず発行しましょう。
記載すべき項目
請求書に記載する項目は、以下のとおりです。
- 請求先の宛名(会社名や担当者名)・住所・連絡先
- 発行日
- 請求書番号
- 請求側の名前・住所・連絡先
- 請求側の会社捺印
- 作業の名目と工数や単価、その合計金額
- 小計や消費税、源泉徴収など
- 合計請求金額
- 振込先
- 振込手数料
- 支払い期限
『請求書番号』は、請求側が請求書の管理をするために必要なもので規定はありません。『作業の名目』は、『コンテンツ制作費』や『コンサルティング費』など、何についての請求なのかが判別できるように記載しましょう。
請求書作成時はココに注意
請求書作成時に注意すべきことを見ていきましょう。請求先に送る前にチェックしてください。
請求書発行日、請求締日、振込日を確認
請求書の発行日は、取引相手の『請求締日』を意識しましょう。請求先が法人の場合、毎月1回『請求締日』が設定されていて、それにあわせて振込日を決めるのが一般的です。
例えば締日を15日に設定している会社に請求するとします。請求書を作る際に『請求書発行日』を15日より前にしていれば、その月の締め日に間に合うので、次の振込日にお金を受け取れますが、それ以降の日付になっていると、振込日が1カ月遅れてしまうのです。
請求締日と振込日について、事前に確認しておきましょう。
振込手数料、消費税、源泉徴収の扱い
請求項目ごとの小計を合わせた合計金額と、源泉徴収金額、そして消費税額をそれぞれ計算して記載します。
請求書には外税・内税を記載しましょう。そして消費税の合計金額に加えて、源泉徴収税を引きます。それらを計算した金額を請求金額として記載しましょう。
振込手数料については、請求先が支払うのが一般的ではありますが、明確な規定は設けられていません。そのため、振込手数料の扱いについて契約書に記載がなく、確実に請求先に払って欲しい場合は、その旨を伝えておきましょう。
立替経費が発生した場合の処理
立替経費は、本来は請求先が払うべき金額を、請求者側が一時的に立て替えた場合の経費です。
打ち合わせの交通費や、先方の指定で用意した資料の購入代金などを、請求者側が立て替えた場合の経費が立替経費となります。
請求書では『報酬』、立替経費は『経費』として別々に請求するものですが、まとめて作成しても対応してくれる場合が多いです。とはいえ立替経費をまとめて請求されるのを嫌がる企業もあるので、契約書に記載がない場合は、請求書を作る前に対応方法を相談しましょう。
請求作業を簡略化するコツ
請求書は、ここまでで紹介したように、非常に多くの項目があります。請求するたびにいちいち作っていては面倒ですし、時間もかかるでしょう。そこで、請求作業を簡略化するコツを紹介します。
フォーマットを用意する
請求書の作成を簡略化するために、フォーマットを用意しておきましょう。インターネット上では請求書のテンプレートを無料でダウンロードできるサイトも多くあります。
その際にExcelなどの計算ソフトのテンプレートを用いれば、消費税や小計、源泉徴収金額を自動で計算してくれるので便利です。計算ソフトでフォーマットを用意しておくのも有効な方法でしょう。
クラウドサービスを活用する
請求書を自動で作成してくれるクラウドサービスを利用しましょう。『freee』や『マネーフォワードクラウド』では、請求書を作成できるサービスを提供しています。
金額の計算はもちろん、請求書の複製や請求書番号の管理なども行ってくれる便利さです。クラウド上に作成した請求書を電子データで保存してくれるため、保管の手間も省けます。
請求書の作成と送付、管理を簡単に | クラウド会計ソフト freee
まとめ
フリーランスや個人事業者として業務委託を請け負う場合、作業が終われば請求書を発行することになります。請求書は、インターネット上にある無料のフォーマットを利用することもできますし、簡単に作成・保存ができるクラウドサービスもあります。正しい数字を記入した上で、請求先に送りましょう。
取引先によっては、請求書のやりとりをPDFで行える場合もあります。原本の印刷や押印、郵送の手間を省けるので、契約時に確認しておくことをおすすめします。
請求書の作成は今後も活動する上では必要なスキルなので、必ず身につける必要があります。