着手金を盛り込んだ契約書の書き方とは。基本知識と雛形を紹介

フリーランスとして報酬を受け取る手段として、着手金があります。通常は仕事が完結した後に報酬を請求するのですが、仕事に取り掛かる際に報酬の一部を受け取ることを着手金と呼びます。ここでは、着手金を盛り込んだ契約書の書き方について解説します。

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着手金とは

着手金は、仕事の報酬の前払金です。作業量が多くて時間も労力もかかる仕事が途中でキャンセルとなった場合、大きなトラブルに発展しかねません。そのようなケースを未然に防ぎ、円滑に仕事を進めるために、着手金という制度が使われています。

未払いトラブルの回避率を上げる

仕事の発注を受け、サービスを提供したにも関わらず、相手から報酬を支払ってもらえないケースが発生することがあります。場合によってはクレームをつけられ、支払いを拒まれる場合もあります。

フリーランスであれば、正当に支払いがされない場合は死活問題につながりかねません。だからこそ、前払金の意味を持つ着手金の存在が必要なのです。着手金はクライアントの支払い意志を確認すると共に、事前に報酬の未払トラブルを防ぐ役割を果たすのです。

着手金の相場

着手金は『前払金』として、報酬の一部から支払われます。着手金の相場はケースによって分かれており、報酬の半額が仕事の着手前に支払われる場合や、報酬の額に応じて割合を変えて支払われるケースもあります。

極端に高い価格や低い価格を設定しても、着手金の意味をなさないので注意が必要です。クライアントや依頼内容によって金額は異なりますが、発注側と受注側の双方が納得できる金額を設定することが大切です。

榎本希

フリーランスが仕事をする際に、大きな金額の仕事であればあるほど、報酬は全額後払いとなった場合に、万が一報酬が支払われないなどのトラブルが発生した場合、債権回収も大変になりますし、委託先の企業が万が一倒産などで債権回収が難しくなった場合に、多くの時間をかけて仕事を完成したにもかかわらず何か月も報酬が得られないという事になります。

交渉で支払われない場合には弁護士などに依頼することになるでしょう。

着手金とは、仕事の完成によって支払われる報酬の一部を契約締結時にあらかじめ支払ってもらうことを指します。

仕事が完成した際には残額を支払ってもらうことになります。

着手金を含んだ契約書の書き方

仕事の規模が大きくなれば、それに応じて報酬も高くなります。仮にその報酬が支払われなかった場合や支払いが遅れた場合は、後々トラブルに発展する可能性も高くなるでしょう。

仕事上の金銭トラブルを事前に回避して円滑に業務を遂行するためにも、法的に正しい契約書を用いることが重要です。ここでは、着手金を含んだ契約書の書き方について解説していきます。

着手金の額を任意で決める

着手金の具体的な金額は、契約書を作成する受注者側が任意に決めることができます。しかしあまりに高額な着手金を設定してしまうと、それがきっかけで契約が破棄されてしまいます。

このようなトラブルを避けるために、着手金の額は常識の範囲内で設定し、その金額を必ず契約書に記載しましょう。

トラブル時の返金に関しても明記

業務の途中で一方的にクライアントが仕事をキャンセルする場合は、一旦支払った着手金がトラブルの元になる可能性があります。

未然に問題を防ぐため、トラブルの原因が発注者側にある場合には着手金は返還しないと契約書に記載するとよいでしょう。さまざまなトラブルを予測し、事前に契約書に記載することで、互いが納得できる状況をあらかじめ作っておくことが大切です。

榎本希

契約書に着手金の項目を盛り込む場合には、報酬の項目に「着手金として〇月〇日までに○○円を支払うものとする」等の記載をする形になります。

着手金の金額は任意ですが、自分で勝手に決めてしますよりも相手方と話し合ったうえで合意した金額にしたほうがスムーズな場合もあります。

また、着手金についての記載をした場合は仕事の途中で契約解除になった場合などの着手金の取り扱いについても記載の必要があります。

着手金は返還しないという場合にはその旨を記載しておくようにしましょう。

契約書作成の手間を減らすには

フリーランスの中には、会社員から独立したばかりで契約書を作成した経験がない方もおられます。書類作成の作業は煩雑であり、作るのが億劫だからという理由で避けてしまうこともあるでしょう。

しかし契約書は、フリーランスにとって自分を守る大切なツールです。ここでは、面倒な契約書作成の手間を省き、効率的に業務を進めることができるおすすめのツールを紹介します。

電子契約の活用

かつて契約を交わす際は、書面でのやりとりが当たり前でした。しかし現代はテクノロジーやインターネットの発達により、書面ではなくオンラインで契約を交わす『電子契約』を取り入れて上手に活用する会社が多くなっています。

近年は働き方が自由になりフリーランスとして働く人が増え、インターネットを通じて自宅やカフェなどで仕事をする人も以前より多くなりました。業務を効率化して無駄を省き、利便性を図るためにも、電子契約書を活用するとよいでしょう。

雛形を利用する

独立したばかりのフリーランスにとって、慣れない契約書を自力で作成するのは時間も労力もかかります。電子契約を利用して契約書を作成する際は、雛形を使用することをおすすめします。

インターネット上には多くの契約書の雛形がテンプレート化され、ダウンロードできるようになっています。様々な企業が複数のテンプレートを用意しているので、自分のビジネスの雰囲気にあった雛形がきっと見つかるでしょう。

無料の雛形

駆け出しのフリーランスは、余計な出費は控えたほうが賢明です。ネット上には無料で雛形を提供するサイトもありますので、有効に活用して経費を抑えましょう。

例えば『クラウドサイン』というサイトがあります。クラウドサインは、弁護士ドットコムが提供しているクラウド型の電子契約サービスです。1カ月に5件まで無料で使えます。弁護士の監修の元で作られた契約書なので安心して利用できるでしょう。

クラウドサインを利用することで、郵送代や紙代、インク代金を節約することが可能です。雛形による業務の効率化もできます。

クラウドサイン

榎本希

電子契約書は収入印紙が不要であるという点でもメリットがあります。

契約書のひな型を利用する場合にはひな型をそのまま使うのではなく、自身の契約に合う内容に修正を行うようにしましょう。

特に業務の内容については詳細に記載することで後々のトラブル回避につながります。

自分がクライエントと合意した内容を契約書にも反映させるようにしましょう。

まとめ

フリーランスは後ろ盾のない状態で仕事をするので、金銭的なトラブルに巻き込まれるリスクが高い職業です。トラブルを未然に防ぐためにも、着手金や契約書の存在は重要と言えます。

電子契約や無料の雛形を活用して、効率的に適切な契約書を作成し、安全に仕事を進めていきましょう。

榎本希 [監修]

医療機関・医大の研究室にて長年勤務をした後、行政書士試験を受験。医療系許認可をメインに扱う行政書士として、行政書士のぞみ事務所を開業。再生医療関係の許認可・診療所開設・医療広告ガイドラインに基づく医療広告のチェック等の他、任意後見・契約書作成・起業支援を扱う。


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