請求書のテンプレート項目と書き方
もし請求書に誤りや抜けがあったりすると、どれだけ頑張って記事を作成しても報酬を受け取れません。まずは必ず書かなくてはならないテンプレート項目とその書き方について解説します。自分の請求書に漏れがないかしっかり確認しましょう。
宛先や請求者住所、印鑑などの基本情報
基本情報として、請求する自分の氏名や屋号、住所や印鑑などは忘れずに記載しましょう。どれか一つだけ欠けていても請求書としては成立しません。企業として請求書を送る場合は印鑑のほかに社判を押すケースもあります。
金額や内訳
ひとつしか記載内容がないとき、つい合計金額の欄を空欄にしてしまうこともありますが、請求金額の合計は忘れずに記載しなくてはなりません。
幾つかの項目がある際は、合計金額を記載するだけではなく小計や消費税などの内訳を記載しましょう。なぜ請求がこの金額になったのかをクライアントへ透明化することで、取引が明瞭になります。
振込先や期限
さらに、振込先口座を忘れずに記載することも必要です。ゆうちょと都市銀行など、相手方が選びやすいよう複数の口座を記載しても問題ありません。
振込先を記載する際は、漏れのないように銀行名と支店名、銀行コードと支店コードも記載してあげると丁寧です。
振込期限も併せて記載しておき、期限後に振り込まれたかどうかを確認しましょう。期限が過ぎても振り込まれない場合は、請求書をもとに相手先へ連絡してください。これが明記してあるか否かで、余計なトラブルが起こった際に避けることができるかの分かれ道になります。
請求書作成時の注意点
ここからは、請求書作成時の注意点について解説していきます。請求書作成において、業種を問わず共通して気をつけておきたい3点をピックアップしていきますので、それぞれのポイントを抑えておきましょう。
手数料
振込手数料については事前にクライアントと自分で打ち合わせておくことが大切です。振り込まれた金額を確認したら振込手数料が差し引かれていた、というケースもあります。
無用なトラブルを避けるために「振込手数料はご負担ください」と一言請求書に記載しておくか、事前にどちらが負担するのか聞くようにしましょう。
源泉徴収
源泉徴収も請求書作成の際に注意するポイントとなります。年末の確定申告で必ず必要になりますので、自分の作っている請求書の金額を確認して請求内容が源泉徴収の対象となっているか、それとも必要のない報酬かを確認しましょう。
取引先が法人の場合、フリーランスであっても源泉徴収税額を引いて入金されることがあります。原稿料やデザイン料、出演料や教授・講演料を報酬としてもらう場合は、源泉徴収の対象となります。
100万円以下の場合は支払い金額×10.21%、100万円を超える報酬の場合は、(支払い金額-100万円)×20.42%+102,100円が源泉徴収されます。源泉徴収対象ではないのに差し引かれてしまって問題となる前に、源泉徴収に対する正しい知識を身につけて請求書に反映させましょう。
消費税
消費税についても注意が必要です。内税か外税かを契約書やクライアントへの確認で把握した上で請求書を作成しましょう。ちなみに内税は消費税も含めた報酬総額のことで、外税は合計金額以外に消費税が加算されます。
明記がない場合は税抜き、つまり外税表記が無難ですが、念のためにクライアントへ問い合わせるとよいでしょう。内税か外税かで請求書の作成方法も変わってしまいますので、しっかり確認してください。
作成後のチェックポイント
請求書がすべて作り終わったら、最後のチェックも忘れずに行う必要があります。ここからは、作成後のチェックポイントについて確認していきますので、出来上がった請求書を手元に置きながらしっかり確かめていきましょう。
発行日や締め切りの確認
法人が取引先の場合は、基本的には締日で区切り、毎月1回の支払日を設けています。大体は締日の翌日などの月初に請求書を発行しますので、発行日は取引先の請求締日にします。発行日が締日を過ぎていると翌月扱いとされ、支払が遅くなることもあります。
このあたりのルールも企業によって変わってきますので、請求の締日と発行日についてはクライアントとの間でしっかりと確認しておきましょう。
金額の確認
請求書を発行し、クライアントから支払われたら、その金額を確認しましょう。入金された金額が請求書とあっていれば問題ありませんが、請求書の金額より少ない場合はいくつかのケースが考えられるので、金額の一致は必ず確認します。
振込手数料が引かれている場合は、振込手数料の負担の所在が明らかでない可能性があります。取引先に負担してもらうなら、請求書に一言記載したほうがトラブルを回避できます。自分が負担するなら、いくら差し引かれるかを事前に聞いておくと間違いがありません。
自分の仕事内容が源泉徴収税対象でないのに源泉徴収税額が引かれている場合は、取引先のクライアントに問い合わせましょう。全個人事業主の源泉徴収を行う企業もありますし、一切執り行わないこともあります。
源泉徴収税額を引かれていたら、年明けに送られてくる源泉徴収票を確認しましょう。送られてこない場合は、送ってもらうように問い合わせましょう。
請求書の送り方
請求書の送り方として無難なのは、取引先への郵送です。最近ではメールでもマナーを守った送り方なら受理される場合もありますので、クライアントへ必ずどの方法で送付すればよいか事前に確認しておくと安心です。
郵送の場合
請求書を郵送する場合は、メール便で請求書を送付すると法律に抵触してしまうため、普通郵便で送るのが原則です。折り方は、印字している面が内側に来るようにした三つ折りで封筒へ入れるのが良いです。
多くの場合、請求書の大きさはA4ですので、封筒には長形3号を使います。宛名・会社名・部署名・担当者名などを記入して確実に相手へ届くようにしましょう。
メールの場合
請求書をメールで送るケースは増えていますし、先方から指定されることも多くなりました。ですがその作成方法はまだ確立されておらず、形式の確認がとれていないと、トラブルのもとにもなります。請求書作成前に取引先へ相談してください。
メールで請求書を送る場合は、後程クライアントのほうで金額を改変されないよう、ExcelやWordで請求書を作成したらPDFに変換します。そのあと電子印鑑で判を押し、請求書の偽造を防止しておくとより安心です。
電子印鑑がNGという企業もありますので、印刷した書類に印鑑を押し、それをスキャナーで取り込む手間をかけなくてはならない可能性も考えておかなくてはなりません。
まとめ
どんなにたくさん仕事をしても、どんなに素晴らしいものを作り上げても、請求書に誤りがあるだけで報酬を得られなくなったり、振込時期が遅くなったりしてしまいます。
請求書の発行は非常に重要な業務として普段の仕事同様に注意して行い、クライアントと自分の双方に面倒がないように仕上げましょう。