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フリーランスの勘定科目ってどうなるの?弊社デザイナ―とエンジニアの経費実例

確定申告は無事に完了しましたか?

自分だけで確定申告をやっていると、迷うことがたくさんありませんか?

弊社では業務委託を多く抱えているので、確定申告が話題になることもよくあります。今回は、確定申告の特に経費の勘定科目について悩めるフリーランスの方のために、すでにフリーランスでデザイナー、エンジニアをしている方の実際の経費を見ながら解説したいと思います。

デザイナー YAMADAさん(仮称)の場合

YAMADAさんは、Offers周りのデザインを全て担当しており、週3〜4日程度お世話になっているデザイナーさんです。科目 使用用途 金額(サンプル) まずは、使用用途と科目を見てみましょう。

科目 使用用途 金額(サンプル)
通信費(Adobe Creative Cloud) Photoshop、IllustratorなどのAdobe製品の月額の利用料金 5,378
通信費(Sketch) Sketchの1年間のライセンス料 12,316
通信費(Flinto) Flintoの1年間のライセンス料 11,494
通信費(InVision) InVisionの月額の利用料金 1,739
新聞図書費 ビジネス書・専門書籍など 1,500 ~ 7,000
研修費 セミナー・勉強会の参加費 1,000 ~ 7,000
消耗品費 マウスなどのパソコン周辺機器 2,000 ~ 3,000
地代家賃 自宅兼事務所の為、按分比率40%くらい 50000
水道光熱費 自宅兼事務所の為、按分比率40%くらい 2000
通信費 電話代 6000

この経費と勘定科目の付け方の中で押さえておきたいのは以下の3つのポイントです。

  • ツールなどの料金は通信費で計上する
  • 高額のPC購入代金は青色申告か否かで選択肢が異なる
  • 家賃や水道光熱費は、自宅兼事務所の場合は按分して申請できる

1つずつ細かく説明していきます。

1.ツールなどの料金は通信費で計上する

デザイナーに不可欠なクラウド型のツールの代金は通信費として計上しましょう。通信のために使っているわけではないので、違和感を感じる方も多いでしょうが、会計では月額課金モデルのように買い切りでないクラウド型のツールは通信費として計上できます。

これはデザインツールに限った話ではなく、会計ソフトを使っている場合も同様です。クラウド型の会計ソフト(freeeなど)を使っている場合は通信費(消耗品費でも可)、買い切りのインストール型の会計ソフトを使っている場合は消耗品費で計上します。

2.高額のPC購入代金は青色申告か否かで選択肢が異なる

業務に用いる機材のための高額の出費は減価償却費として計上し、法律によって定められた耐用年数にしたがって徐々に費用として計上します。高額かどうかの境目は10万円を目安に考えましょう

この時、白色申告の場合は10万円未満のものしか一括して経費に計上できませんが、青色申告の場合は特例制度を用いて30万円以下までは一括で経費として計上できます。次にご紹介するエンジニアのFujiwaraさんはこの特例を使って、一括で経費として計上しています。

取得価額 選べる処理の方法
10万円未満 消耗品費
10万円 ~ 20万円 一括償却資産 or 小額減価償却資産の特例 or 減価償却資産
20万円 ~ 30万円 小額減価償却資産の特例 or 減価償却資産
30万円以上 減価償却資産

減価償却費についてはこちらの記事を参考にしてください。

3. 家賃や水道光熱費は、自宅兼事務所の場合は按分して申請できる

『按分』とは、私用でも事業用でも使っている項目を事業用の使用割合に応じて経費として計上することです。例えば、自宅を自宅兼事務所として使っていた場合、家賃の40~50%程を経費として計上することができます。(実際の数字は個別判断です。)

家賃だけでなく、水道光熱費、通信費も按分できるので漏らさないようにしましょう。また、結婚していて、契約主が配偶者であり自分ではない場合でも自分の経費として按分することができます。ただし、この場合は夫婦であるなど『生計を一つにしている』ことが条件です。

同棲しているだけでは対象にはなりませんので、注意してくださいね。

エンジニア Fujiwaraさん(仮称)の場合

Fujiwaraさんは、Offersの開発周りでお世話になっているエンジニアさんです。

さっそく、使用用途と科目を見てみましょう。

科目 使用用途 金額(サンプル)
地代家賃 家賃の50% 37,500
支払報酬 税理士への手数料支払い 16,200
通信費 さくらインターネットサーバ代 1,522
通信費 インターネットプロバイダー代 4,104
通信費 github利用料金 784
水道光熱費 電気代(50%) 2,040
通信費 楽天モバイル 2,669
通信費 awsサーバ代 3,384
会議費 打ち合わせ 4,563
旅費交通費 Suica 10,000
会議費 コワーキングスペース回数券 10,000
減価償却費 PC(Macbook Pro)購入 238,464

さて、ここでYAMADAさんと違って目立つのは税理士への支払い報酬と、サーバ代でしょうか。ということで以下の2つをチェックしておきましょう。

  • 税理士への手数料支払いは『支払報酬』で仕訳
  • サーバ代は『通信費』で仕訳

1.税理士への手数料支払いは『支払報酬』で仕訳

税理士への手数料支払いは『支払報酬』で仕訳します。これは他の士業、例えば行政書士や弁護士についても同様に言うことができます。士業への手数料は『支払報酬』で仕訳すると覚えておきましょう。

ところで、そもそもフリーランスは税理士に頼むべきなのか、という疑問を持たれる方も多いと思います。そのような方は以下の記事をご参照下さい。税理士は何をしてくれるのか、頼むときのメリット・デメリットについて詳しく解説しています。

2.サーバ代は『通信費』で仕訳

電話やインターネットの通信料金は『通信費』で仕訳します。他にもサーバーレンタル費やドメイン取得費、ウイルス駆除ソフトも通信費に含めることが可能です。

確定申告は3月15日まで

確定申告は3月15日までです。遅れてしまうと「無申告加算税」といって罰則的税金を取られるので、絶対に間に合わせましょう。

生川奈美子 [監修]

株式会社アスト代表取締役。大手生命保険会社に12年勤務後、2003年にファイナンシャルプランナーとして独立。現在、「わくわくの明日と共に」をモットーに、子育て世代、リタイア世代のライフプラン作成や家計相談、相続相談などのコンサルタントとして活動中。また、講師や執筆も担当。2015年度金融知識普及功労者として金融庁・日本銀行から表彰を受ける。

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